ブロックチェーンが今後大きな影響を与えるであろう15の業界についてお話します。
概念自体は以前からあったものの、ビットコインが生まれてから実際に使われ、上手く機能することが証明された「ブロックチェーン」という技術ですが、このブロックチェーンが「インターネット以来の技術革命を起こす」とも言われています。
ビットコインから生まれたブロックチェーンは、その技術自体が注目され、仮想通貨以外のあらゆる業界への応用が始まっており、世の中を大きく変える技術だということです。
そんなブロックチェーンがこれから大きな影響を与えていくであろう15の業界についてお話していきます。
目次
ブロックチェーンとは
ブロックチェーンについて再確認しておきましょう。
ブロックチェーンを簡単に説明すると、あらゆる取引履歴を信頼性のある形で保存し続けるための技術です。
すべての取引履歴を誰でも見れるため透明性が高く、P2P(Peer to Peer)という仕組みを利用することでデータの改ざんが極めて難しく、かつ仕組みが停止する可能性が極めて低い、などといった利点があります。
ブロックチェーンに関する詳しい説明は、以下の記事で図解を用いて説明しているのでぜひご覧ください。

ブロックチェーンにより大きな影響を受ける15の業界
1. 銀行
銀行が行っている業務は大きく3つに分類されます。「預金業務」「為替業務」「貸付業務」の3つです。
「預金業務」とは、銀行口座を通じて預入や引き出しを管理する業務です。「為替業務」とは、振込や送金を行う業務です。「貸付業務」とは、お金を貸す業務です。
最初の2つ「預金業務」「為替業務」はブロックチェーンで自動化できることはできますね。そして「貸付業務」は「スマートコントラクト」という手段を利用することで自動化することが可能です。
「スマートコントラクト」とは、あらかじめ決められた条件に沿って、一連の取引を自動的におこなってくれるものです。
2. サプライチェーンマネジメント
ブロックチェーンを活用することで、製品の製造から販売までのサプライチェーンを透明化し、遅延をなくし、人為的ミスをなくし、余計なコストを削減することができます。
さらには、排出量や廃棄物の監視もできるため、環境への影響も可視化することが可能です。
3. 未来予測
ブロックチェーンによって、未来予測市場も大きな変化を遂げるでしょう。
「未来はどうなるか」ということについて参加者が予測を行い、その結果に応じては配当が支払われます。
現在は、間違った予測をしてもほとんど損失を受けない評論家や専門家が多く存在し、未来予測は当たらないことも往々にしてあります。しかし、予測したことに対する結果によって報酬を得られるか没収されるかが決まるので、未来予測の正確性もかなり高まると思われます。
4. IoT
IoTとブロックチェーンはとても相性が良いです。
IoTは多くの人が利用する技術であり、同時に多数のインターネットアクセスがあります。そのため、一つのデータベースで管理しようとすると、処理が膨大になり、多くのコストがかかります。
しかし、ブロックチェーンを活用した分散データベースなら、処理を分散して、複数のアクセスを一つのブロックに書き込むことも可能です。また、ブロックチェーンを活用することで、書き込みをするかどうかの合意形成がなされてからトランザクションが発生するため、悪意のあるアクセスがあったとしても、トランザクションが発生する前に防ぐことも可能なのです。
5. 保険
信託管理に基づいている保険市場もブロックチェーンと相性が良いです。
保険市場にブロックチェーンを活用することで、医療機関や申請者の不正をいち早く見つけたり、保険の提供事業者リストの信頼性を高めることが可能です。
そして、事業者のバックオフィス業務を効率化することも可能です。
また、ほぼリアルタイムで健康状態をモニタリングすることで、保険料の設定を合理化し、双方向性サービスを促進することまでできます。
6. カーシェアリング・配車サービス
カーシェアリングにブロックチェーンを活用することで、車両の所有権、利用履歴を、正確にかつ効率よく記録でき、適切にコストを管理することができます。
また、配車サービスにブロックチェーンを活用することで、ドライバーとユーザーが直接つながり、ドライバーとユーザー間で料金設定を行え、さらには各々の判断でより良質なサービスを提供することも可能にします。
7. クラウドストレージ
中央集権型のクラウドストレージサービスは、ハッキング、人為的ミスなどによるデータ消失が起こりやすいという問題を抱えています。
しかし、クラウドストレージサービスにブロックチェーンを活用することでデータを分散させることができるため、ハッキングや人為的ミスなどを防ぐことができます。
8. チャリティー
慈善活動は非効率であり、不透明性が問題視されることがよくあります。集めた資金を本当に寄付しているのか、どこに寄付しているのかといったことが明確に示されていないことがよくあります。
しかし、ブロックチェーンを活用することによって、活動は効率的になり、集めた資金を寄付しているのか、どこに寄付しているのかということが明確になります。
9. 投票
選挙では、身元確認や改ざんされていないかなどの信頼性が重要であり、現在はオフラインで紙を利用して行われています。そのため、多くのコストがかかり、有権者にも余計な時間や手間がかかります。
しかし、ブロックチェーンを活用することにより、有権者の登録と身元確認が簡単に行え、正当な票のみがカウントされます。また、その票が変更されたり削除されることを防ぐことも可能です。これらすべてがオンライン上で可能になるのです。
10. 政府
政府のシステムは遅く、古く、時間がかかります。また、透明性も低いです。
ここにブロックチェーンを活用することで、効率性、透明性、セキュリティが高まり、多くのコストを削減し、不正行為を防ぐこともできます。
11. ヘルスケア
病院は、データを保存して共有するための安全なプラットフォームがないせいで、未だ古いシステムを利用しています。古いシステムを利用しているとハッキング被害に遭いやすく、紙を利用していると余計なコストが多くかかります。
しかし、ブロックチェーンを活用することで、医療記録などのデータを安全に保管し、共有することができます。また、より正確で素早い診断にもつながります。
12. エネルギー取引
現状、エネルギーを生産者とユーザー間で直接売買することができず、信頼できる業者の仲介が必要です。
しかし、ここにブロックチェーンを活用することで、取引データの書き換えや消去ができなくなるので、生産者とユーザー間で直接売買ができるようになります。
13. 音楽
音楽などのコンテンツは転用されることが多く、またプラットフォームやレコード会社に多くの売上を取られてしまうので、アーティストに正当な対価が支払われていません。
しかし、ブロックチェーンを活用することで、誰に著作権があるのかが明確になり、アーティストとファンを直接つなぐことも可能になります。
14. 不動産
不動産を売買する際の現時点での問題点として、紙ベース、透明性の欠如、詐欺、公的記録の誤りなどがあります。
そんな不動産の売買にブロックチェーンを活用することで、取引を高速化し、コストを削減し、信頼性を確保することが可能になります。
15. クラウドファンディング
近年、クラウドファンディングは資金調達の一般的な手段となっています。そんなクラウドファンディングのプラットフォームは、プロジェクトクリエイターとサポーターとの間の信頼関係を担保するために存在しますが、同時に高い手数料もかかります。
ブロックチェーンをベースとしたクラウドファンディングでは、スマートコントラクトとオンライン評価システムを利用することで信頼性を確保し、仲介者を不要とすることが可能です。
ブロックチェーンがあらゆる分野に革命を起こす
今回はブロックチェーンが今後大きな影響を与える15の業界について取り上げ、簡単に紹介しました。
今回は15の業界を紹介しましたが、もちろん影響を受けるのはこれらの業界だけではありません。
現在存在するほとんどの業界は、データの管理を中央集権型のシステムで行っていますよね。つまり中央集権型でデータ管理を行っているということは、ブロックチェーンを活用することで大きく変わる可能性が高いということです。
インターネットによって世の中が大きく変わったように、ブロックチェーンもこれからの世の中を大きく変えていくことでしょう。
ビットコインに不信感がありましたが、何故世に出たのかがわかりました。
ありがとうございました。