仮想通貨を保管するに当たり、初心者がまず知っておくべき仮想通貨の保管方法やおすすめの保管手段などについて解説します。
現状、仮想通貨を保管するためには細心の注意を払わなければならず、適切に管理していないとハッキング被害に遭って資産を失ってしまうなどということがあります。
今回は仮想通貨の4種類の保管方法を紹介し、それぞれの保管方法の特徴を説明し、安全でおすすめの保管手段を紹介します。また、保管する際の注意点などについてもお伝えするので順番に見ていきましょう。
目次
そもそも仮想通貨ってどうやって保管するの?
大抵の人はすでに知っていると思いますが、超初心者の人からするとそもそも仮想通貨をどうやって保管するのかがわからないかもしれませんね。
仮想通貨は「ウォレット」と呼ばれる、その名の通り財布のようなものにデータとして保管します。ひとまず「仮想通貨はウォレットに保管する」ということを頭に入れてください。
そして、一概に「ウォレット」と言ってもいろいろな種類のウォレットが存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。また、同じ種類のウォレットだとしても、ものによって使いやすさや安全性などが異なります。
では、どんな種類のウォレットが存在するのでしょうか?
4種類のウォレットとそれぞれの特徴
ウォレットにもいろいろな種類のウォレットがあると言いましたね。というわけで、実際にどんな種類のウォレットが存在するのかをお話します。
ウォレットの種類を大きく分けると、以下の4種類に分かれます。
- ウェブウォレット
- ソフトウェアウォレット
- ハードウェアウォレット
- ペーパーウォレット
では、それぞれのウォレットがどんなものかを見ていきましょう。
1. ウェブウォレット
ウェブウォレットとは、オンライン上で作成、管理できるウォレットです。WEBサービスにてアカウントやウォレットを作成して仮想通貨を管理できます。仮想通貨取引所のアカウントもウェブウォレットの一つです。
ウェブウォレットは、仮想通貨をオンラインで管理するため便利な反面、セキュリティ面を考えるとハッキングされやすいため少々不安はあります。
特に、ログインIDとパスワードにて資産を管理するアカウント型のウェブウォレットの場合、パスワードを厳重なものにするのはもちろん、二段階認証設定をするなどセキュリティ対策を万全にしておかないと簡単にハッキングされてしまうのでより一層の注意が必要です。
また、ウェブウォレットは第三者のサービスに仮想通貨を預けるというものなので、ウェブウォレットに預けた仮想通貨は厳密には自分の管理下にはありません。
これは、ウォレットの秘密鍵がそのサービスのサーバー上に保管されていたり、そもそもユーザーごとに秘密鍵が用意されておらず、存在するのは運営主体のウォレットのみで、その中に各ユーザーの資産が一緒に保管されている仕組みになっていたりするからです。
つまり、利用しているウェブウォレットが倒産したりハッキング被害に遭うと預けている資産が消えてしまう可能性もありますし、サービスがメンテナンスになるとその間は預けている資産を動かしたりすることはできません。
- 既成の概念でサービスを利用可能なので使いやすい
- 利用しているデバイスが壊れても預けている資産は問題ない
- 万全なセキュリティ対策が必要
- ウェブウォレットの運営主体が倒産したりハッキング被害に遭うと、預けている資産が戻ってこない可能性がある
- ウェブウォレットがメンテナンスなどになると、その間は預けている資産を動かせない
利用上の注意
ウェブウォレットは基本的にメインのウォレットとして利用しないほうが良いです。理由は何度も言うように適切なセキュリティ対策をしていないとハッキングされやすいからです。
仮想通貨取引所はあくまで仮想通貨の売買のために利用し、その他ウェブウォレットを利用する際も大金を入れておかないようにしましょう。
また、利用する際は必ずパスワードを英数字と記号を含む20文字以上の不規則なものにし、他のサービスで利用しているパスワードの使い回しは避け、二段階認証を設定するようにしてください。
ウェブウォレットの代表例
2. ソフトウェアウォレット
ソフトウェアウォレットとは、PCやスマホなどのデバイスにソフトウェアをダウンロードして利用するウォレットです。ソフトウェアウォレットの中でも、PCで利用するデスクトップウォレットと、スマホで操作するモバイルウォレットに分類されます。
ソフトウェアをダウンロードして利用するため、オフライン状態でもウォレット内の資産を確認できます。
デバイス(PCやスマホ)自体をハッキングされたりウイルスを仕込まれたりしない限り、ウォレット内の仮想通貨を盗まれないため、ウェブウォレットに比べるとセキュリティは高いです。
ウェブウォレットでは秘密鍵は利用するウォレットサービスのサーバー上で管理すると言いましたが、ソフトウェアウォレットでは秘密鍵を自分が利用しているデバイス内で管理する形になるのでより安全性が増すのです。
ただし、その仕組み上自分で秘密鍵を適切に管理しなければなりません。秘密鍵がわからなくなってしまえばウォレット内の仮想通貨は永遠に自分の手元に戻ってきませんし、秘密鍵は絶対に第三者に教えてはいけません。また、もちろん秘密鍵を保管しているデバイスも適切に管理する必要があります。
秘密鍵を保管しているデバイスが故障してしまったり、紛失してしまうと、もちろんデバイス内の秘密鍵も一緒になくなります。そのため、秘密鍵は複数デバイスに保管したり、紙に秘密鍵をメモして保管するなどする必要もあります。
そのため、ソフトウェアウォレットではウェブウォレットと比べると安全性は増しますが、管理能力がより必要になります。
- ウェブウォレットと比べるとセキュリティが高い
- オフラインでもウォレット内の資産を確認可能
- 利用するデバイスがウイルス感染したりハッキングされないよう注意が必要
- ソフトウェアをインストールしているデバイスでしか利用できない
- 秘密鍵を適切に管理する必要がある
利用上の注意
ソフトウェアウォレットを利用する際に最も注意して欲しいことは秘密鍵の保管です。
上述したように、まず秘密鍵は絶対に第三者に教えてはいけません。そのためにも利用するデバイスがウイルスに感染しないように、ハッキングされないように注意する必要があります。
そして、秘密鍵がわからなくならないように、紙にもメモしておいたり、複数デバイスに保管しておいたりする必要があります。
また、この際にオンラインストレージに秘密鍵を保管しないようにすることも重要です。オンラインストレージに秘密鍵を保管するということは、オンライン上に秘密鍵を保管することを意味するので、ソフトウェアウォレットを利用する意味がなくなります。
このように、ソフトウェアウォレットを利用する際は、特に秘密鍵を適切に保管することに気をつけましょう。
ソフトウェアウォレットの代表例
3. ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは、秘密鍵を暗号化したデータが格納された専用のUSB端末をPCに接続して利用する形のウォレットです。このUSB端末と暗証番号が揃わない限りウォレットを操作できないため、セキュリティはものすごく高いです。
つまり、もしハッキングを試みようとしている人がいたとしても、実際にUSB端末を手に入れないとできないのでかなり難しいのです。PCがウイルス感染したとしても同じことです。
ただし、USB端末はもちろんハードウェアなので、故障や紛失することはあります。そのためリカバリーフレーズをメモして厳重に保管する必要はあります。リカバリーフレーズがあれば、もしUSB端末が故障したり紛失してしまった場合でも、新たなUSB端末にてウォレットを復元することが可能です。
ハードウェアウォレットを利用する場合は、リカバリーフレーズだけは厳重に保管するようにしましょう。基本的にハードウェアウォレットを購入すると、リカバリーフレーズをメモするための用紙が同包されているので、そのメモ用紙にリカバリーフレーズをメモしてなくしたり第三者に見られないように保管しましょう。
ハードウェアウォレットは、セキュリティが高く、ある程度の利便性も担保されているので、ウォレットの中では最もおすすめの種類です。
- セキュリティがかなり高い
- ある程度の利便性も担保されている
- ハードウェアウォレット端末が高いものが多い(1万円〜1万5千円ほど)
- 初めてハードウェアウォレットを利用する際は戸惑うことが多い(かも)
- リカバリーフレーズを厳重に管理する必要がある
利用上の注意
ハードウェアウォレットを利用する際の注意点は、主に、購入時に公式か正規代理店で購入すること、リカバリーフレーズを厳重に管理することです。
ハードウェアウォレットを購入する際に公式や正規代理店以外で購入してしまうと、販売業者によってあらかじめ端末の中身を書き換えられたりしている可能性があるからです。うっかりその端末に仮想通貨を保管してしまうと、販売業者に盗まれてしまう可能性があるのです。
そのため、ハードウェアウォレット購入時は公式または正規代理店から購入するようにしましょう。また、正規代理店と偽って販売している業者もいるので、そういったことにも注意が必要です。
また、上述したようにリカバリーフレーズは厳重に管理しましょう。リカバリーフレーズは絶対に第三者に教えてはいけませんし、紙にメモして安全な場所に保管する必要があります。
ハードウェアウォレットを利用する際は、主にこの2点に注意しましょう。
ハードウェアウォレットの代表例
4. ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、アドレスと秘密鍵を紙に印刷して保管するウォレットです。ハードウェアウォレットと同様に秘密鍵をオフラインで保管できるため、セキュリティは非常に高いです。また、ペーパーウォレットの特徴として、プライバシーも保てるという点もあります。
ただし、紙にアドレスや秘密鍵を記載して保管するため、利便性はかなり悪いです。ウォレット内の残高を確認するだけでもかなりの手間がかかってしまいます。
また、ペーパーウォレットを作成するにしても、正しい知識を持って適切な環境で作成する必要があります。これができないと、かえってセキュリティが低くなってしまいます。
加えて、ペーパーウォレットを保管する際は、紙の紛失や劣化などにも注意する必要があります。もちろん、ペーパーウォレットを第三者に見せてはいけません。紙なので火事などにも注意しなければなりませんね。
個人的に思うのは、今では優れたハードウェアウォレットがあるので、総合的に考えるとハードウェアウォレットよりペーパーウォレットのほうが仮想通貨を紛失してしまう可能性は高いと思います。
そのため、基本的にペーパーウォレットは利用しなくても良いですね。
- セキュリティがかなり高い
- プライバシーを保てる
- 利便性が非常に悪い
- 正しい知識が必要
- 劣化に注意が必要
利用上の注意
ペーパーウォレットを利用する際にまず注意すべきことは、何と言っても正しい知識を身につけてから利用することです。リテラシーの低い人でも安全に仮想通貨を扱えるようにいろいろなサービスやデバイスなどが出てきていますが、やはり何よりも自分の資産を守るために重要なのは正しい知識を身につけることです。
そして、ペーパーウォレットに仮想通貨を送金する場合は、アドレスを間違えないように注意しましょう。紙に書いてあるアドレスはもちろんコピペなどできないので、1文字1文字間違っていないか注意しながら入力していく必要があります。
もし間違ったアドレスに送金してしまうと、仮想通貨を失ってしまいます。ペーパーウォレットを利用する際はこういったことにも注意する必要があります。
そして最後に、管理方法にも注意しましょう。いくらハッキングなどには強いと言っても、身近な人などにペーパーウォレットを盗まれたり見られてしまっては元も子もありません。また、紙の劣化やどこに保管していたか忘れてしまったり、誤って捨ててしまうなどにも注意しましょう。
ペーパーウォレット(作成サービス)の代表例
最も安全でおすすめの保管方法
仮想通貨を保管する際に、最も安全でおすすめの保管方法は「ハードウェアウォレット」での保管です。
上述したように、ハードウェアウォレットはセキュリティが高く、利便性も兼ね備えているので、幅広い層におすすめできるウォレットです。デバイスと暗証番号が揃わないと保管してある仮想通貨を扱えないというのが強みですね。
値段が1万円ほどしてしまいますが、失ったら困る額の仮想通貨資産を持っている場合は、必ずハードウェアウォレットで保管、管理するようにしましょう。
おそらく聞いたことがある人も多いと思いますが、ハードウェアウォレットには「TREZOR」「Ledger Nano S」などといったものがあります。
この2つのハードウェアウォレットはどちらも安全性が高く、使いやすく、多くの識者が推奨しているハードウェアウォレットです。ハードウェアウォレットを利用する場合は、これらを利用するようにしましょう。


ウォレットは必要に応じて使い分けよう
今回は仮想通貨の保管方法についてお伝えしました。ウェブウォレット、ソフトウェアウォレット、ハードウェアウォレット、ペーパーウォレットについてそれぞれ説明し、最もおすすめの保管方法はハードウェアウォレットでの保管だということを理解してもらえたかと思います。
とはいえ、ウォレットは必要に応じて使い分けるのがベストです。基本的にはハードウェアウォレットに保管するのがベストですが、仮想通貨の取引(売買)をする際は必要な分を取引所に移して取引したり、ICOに参加する際は必要な分をソフトウェアウォレットに移して参加したりといった感じですね。
では引き続き、具体的にはどんなウォレットがおすすめなのか、それぞれをどのように使い分けるのが良いのかを見ていきましょう。

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