今回は仮想通貨のハードウェアウォレット「Ledger Nano S(レジャーナノS)」の使い方を解説します。
導入や初期設定の方法、送金方法などをそれぞれ解説します。ハードウェアウォレットを利用するのはハードルが高く、初めて利用する際にはいろいろと手間取ってしまうかと思います。
そんなときのためにも、今回ハードウェアウォレットとして有名なLedger Nano Sの使い方を丁寧に解説するので、お困りの際はぜひ参考にしてみてください。
Ledger Nano Sの購入方法については別記事で解説しているので、これから購入する際はぜひ参考にしてみてください。

目次
導入&初期設定方法
導入&初期設定
では早速Ledger Nano Sを導入していきましょう。
まずはLedger Nano Sの箱を開け、中身を確認しましょう。すべて入っているかチェックします。
確認したら、早速初期設定をしていきます。まずはLedger Nano SをPCにつなぎます。するとLedger Nano Sが起動しこのような画面が表示されるので、上の2つのボタンを同時押しします。
Ledger Nano Sでは、基本的に2つのボタンの同時押しは「決定」を意味します。
「新しいデバイスとして設定しますか?」と表示されるので、右側のボタンを押します。
このように左にバツ、右にチェックが表示されている場合は、左のバツマークは「No」を、右のチェックマークは「Yes」を意味します。
次はPINコードの設定です。次の画面に進むために2つのボタンを同時押しします。
PINコードを設定しましょう。PINコードは4〜8桁の数字で設定できます。左右どちらかのボタンを押すと数字の選択ができ、2つのボタン同時押しで次の桁に進めます。
PINコードを設定すると、PINコードの確認に進みます。
直前に決めたPINコードを再度入力しましょう。
PINコードの設定が完了すると、次はリカバリーフレーズの書留をします。Ledger Nano Sの箱に入っていたメモ用紙を用意し、リカバリーフレーズを一つずつ書き留めていきましょう。
リカバリーフレーズは、万一Ledger Nano Sが故障してしまったり紛失したときなどにデータを復元するために必要なものです。
とても重要なものであり、絶対に他人に見せてはいけないものなので、メモしたら厳重に保管しましょう。
こちらがリカバリーフレーズをメモする用紙です。表示される単語を1から順番にメモしていきましょう。
ちなみに、単語はこのように出てきます。
すべての単語をメモし終えたら、次はリカバリーフレーズの確認に進みます。2つのボタンを同時押ししましょう。
ランダムに「◯番の単語を選択しなさい」と表示されるので、その番号の単語を選択しましょう。
リカバリーフレーズの確認が済むと「準備が整いました」と表示されます。2つのボタンを同時押ししましょう。
初期設定は完了です。
ただし、一度初期設定が完了したとしても、一度データを削除してメモしたリカバリーフレーズでデータの復元ができるかどうかをこの時点で必ずしておきましょう。
リカバリーフレーズをメモしている時に、メモし間違えていたということは案外よくあることだからです。
例えば、仮想通貨を保管してからデバイスを紛失してしまい、新たなデバイスでデータを復元しようとしたらリカバリーフレーズが間違っていたという場合、Ledger Nano Sに保管した仮想通貨は元には戻ってきません。
こんな最悪の事態を防ぐためにも、この時点で必ずメモしたリカバリーフレーズでデータを復元できるかを試しておきましょう。
データを復元できるかの確認(データの復元方法)
では引き続きメモしたリカバリーフレーズを利用してデータを復元できるかどうかの確認を行っていきましょう。
復元する前に、まずデータを削除しなければなりません。そのため、一度Ledger Nano SをPCから切り離し、再度つなぎ直します。するとPINコードを要求されるので、わざと間違ったPINコードを入力します。
すると「Invalid PIN code」と表示されます。Ledger Nano Sでは、PINコードを3回間違えると自動的にデータが削除されるのです。そのため、わざと3回PINコードを間違えましょう
PINコードを3回間違えるとこのような表示が出ます。そしてデータが削除されます。
引き続きいろいろな文言が表示されますが、ざっと読み進めていきましょう。簡単に説明すると「データの復元にはリカバリーフレーズが必要です」といったことが表示されます。
「Welcome」と表示されるまで読み進めていきましょう。ここまできたら2つのボタンを同時押しします。
すると「両方のボタンを押して始めましょう」と表示されるので、2つのボタンを同時押しします。
「新たなデバイスとして設定する」と表示されますが、ここでは左側(バツマーク側)のボタンを押します。
すると、「設定を復元する」と表示されるので、右側(チェックマーク側)のボタンを押します。
次はPINコードの設定です。初期設定のときと同じようにPINコードを設定しましょう。ちなみに、初期設定時に使用したPINコードと同じものでも問題ありません。
次は「リカバリーフレーズを入れろ」と表示されるので、リカバリーフレーズをメモした用紙を用意し、次に進みます。
「リカバリーフレーズの数を選択せよ」と表示されるので、2つのボタンを同時押しして次の画面に進みます。
リカバリーフレーズの数を選択しましょう。おそらくほとんどの人は24個だと思います。
では、順番にメモしたリカバリーフレーズを選択していきます。表示されるとおりに進めていけばOKです。
例えば、最初は「1語目の最初の文字を選択せよ」と表示されるので、まずは2つのボタンを同時押しして次の画面に進みます。
文字選択画面が表示されるので、メモ用紙の1番の単語の頭文字を選択します。そして2文字目、3文字目と続けます。
2〜3文字ほど選択すると、候補となる単語が選択できるようになるので、1語目の単語を選択します。
この作業をひたすら続けていきます。ここが結構面倒ですが、間違わないよう1つ1つ丁寧に進めていきましょう。
すべてのリカバリーフレーズを選択し終えると、「準備は整いました」と表示され、データの復元が完了します。
この画面まで進めばOKです。
専用アプリの導入
Ledger Nano Sのデバイス側での設定が完了したら、次はようやくPCやスマホにて専用アプリを導入します。
Ledger Nano Sでは、ウォレットの操作は専用アプリにて行ないます。
また、PCで操作する場合、Chromeブラウザが必要になるので、Chrome以外のブラウザをお使いの場合はChromeを利用してください。
ここではPCでのやり方を説明しますが、スマホの場合でも基本的なやり方は同じです。
まずはLedger公式サイトの「Ledger Apps」ページを開き、下にスクロールします。
このような部分があるので、「Ledger Manager」を選択します。
開いた画面の右上あたりの「GET THE APP」ボタンをクリックします。
そして「INSTALL」ボタンをクリックします。
すると、Ledger ManagerのChrome拡張機能ページが開きます。「CHROMEに追加」をクリックしてChromeにこの拡張機能を追加します。
Chromeブラウザに追加した「Ledger Manager」アプリを開きましょう。するとこのような画面が開きます。
「Ledger Manager」では、Ledger Nano Sデバイスで操作できる通貨を追加したり削除したりするためのものです。
例えば、ここでビットコインを追加してみると…(Bitcoinの右側にあるプラスボタンを押してみると…)
このようにLedger Nano Sデバイス上にビットコインボタンが追加されます。
必要に応じて通貨を追加しましょう。
一度Ledger Appsページに戻り、今度は「Ledger Wallet Bitcoin & Altcoins」を選択してみましょう。
そして「GET THE APPS」を選択します。
そしてお使いのデバイスの「INSTALL」ボタンをクリックします。
ここではPCのChromeを利用しているので、「Ledger Wallet Bitcoin」のChrome拡張機能ページに移動します。「Chromeに追加」を選択して追加し、そのまま開きましょう。
追加した「Ledger Wallet Bitcoin」アプリを開くとこのような画面が開きます。画面に書いてあるようにPCにLedger Nano Sをつなげ、ロックを解除しましょう。
今インストールした「Ledger Wallet Bitcoin」では、ビットコインまたはビットコインキャッシュを扱えます。ひとまずは「BITCOIN」を選択しましょう。
するとアドレスタイプの選択画面が出てきます。「LEGACY」と「SEGWIT」がありますが、これから使用するなら「SEGWIT」を使用すると良いでしょう。
以上で専用アプリの導入は完了です。このウォレットアプリでウォレット内の保有通貨を確認したり、送金などを行ないます。
送金(入出金)方法
では次はLedger Nano Sでの送金(入出金)方法を見ていきましょう。
入金(受信)方法
Ledger Nano Sに入金したい場合は、ウォレットアプリの「受信」を選択します。
このような画面が表示されるので「DISPLAY ADDRESS ON DEVICE」を選択します。
するとアドレスが表示されるので、表示されているアドレスやQRコードを使用して他のウォレットや取引所などから送金すれば、Ledger Nano Sでの入金ができます。
実際に入金をしてみた後の画面がこちらです。履歴も表示されています。とても簡単でしたね。
出金(送信)方法
Ledger Nano Sから他のウォレットや取引所などに出金したい場合は、ウォレットアプリの「送信」を選択します。
するとこのような画面が表示されるので、金額、送金先アドレスを入力し、手数料を設定して「送信」をクリックしましょう。
「Ledger Nano Sデバイス側で確認を行ないましょう」という表示が出るので、Ledger Nano Sデバイスを確認します。
デバイス側を確認すると「トランザクションを確認」といった表示が出ているので、右側のボタンを押します。
すると送金手続きが完了します。
ウォレット画面を確認してみると送金履歴が表示されています。送金方法も簡単ですね。
イーサリアム(ETH)の入出金方法
イーサリアムの入出金方法は通常とは少し異なるので説明します。
まずはLedger Managerアプリを起動し、Ledger Nano Sデバイスにイーサリアムを追加しましょう。
デバイス側でこのようにイーサリアムが追加されたらOKです。
次はLedger公式サイトのAppsページから、「Ledger Wallet Ethereum」アプリをインストールしましょう。
アプリをインストールしたら、そのまま開きます。するとこのような画面が開きます。
そうしたらLedger Nano Sデバイスでイーサリアムを選択して2つのボタンを同時押しします。
アプリ画面がこのようになるので、「ETH」を選択しましょう。
するとETHのウォレット画面が開きます。使い方は通常のウォレットと同じなので、先ほど説明したものを参考にしてみてください。
リップル(XRP)の入出金方法
リップルの入出金方法も通常とは少し異なります。
まずはLedger Managerアプリを起動し、Ledger Nano Sデバイスにリップルを追加しましょう。
デバイス側でこのようにリップルが追加されたらOKです。
次はLedger公式サイトのAppsページから、「Ledger Wallet Ripple」アプリをダウンロードしましょう。
ダウンロードしたものを開くと、インストール画面が開くので、そのままインストールしましょう。※リップルの場合はChromeの拡張機能ではありません。
インストールしたLedger Wallet Rippleアプリを開くとこのような画面が開きます。一度Ledger Nano Sデバイスを見ましょう。
Ledger Nano Sデバイス側で「Ripple」を選択し、2つのボタンを同時押しします。
するとLedger Wallet Rippleアプリでリップルのウォレット画面が開きます。使い方は通常のウォレットと同じなので、もし使い方がわからない場合は先ほど説明したものを参考にしてみてください。
多くの仮想通貨を保有しているならハードウェアウォレットは必須
今回はLedger Nano Sの使い方を説明しました。
なくなっても良い額の仮想通貨なら取引所などに保管しておいても良いですが、多額の仮想通貨を保有しているならLedger Nano Sなどのハードウェアウォレットに保管しておくのが最も安全です。

今回はLedger Nano Sというハードウェアウォレットを紹介しましたが、他にも「TREZOR」というハードウェアウォレットもおすすめです。もし興味があればこちらも参考にしてみてください。

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