仮想通貨のウォレットについて、おすすめウォレットをウォレットの種類別に紹介し、目的に応じた使い分け方法をお伝えします。
一概にウォレットと言っても数多くのウォレットが存在し、もちろんそれぞれ特徴があります。
ある程度仮想通貨について調べていれば、「ハードウェアウォレットが良い」「TREZORやLedger Nano Sを使おう」などといったことを目にしたり耳にしたりすることがあると思います。しかしそれはあくまで大きな額の仮想通貨を保管する際の話であることが大半です。
実際には、「なくなっても良い額の資産を保管するときにおすすめのウォレットは?」「頻繁に取引したいからハードウェアウォレットだと不便」「そもそもPCを持っていないから、スマホで安全に仮想通貨を保管するならどうしたらいい?」などといった意見もありますよね。
というわけで、今回はウォレットの種類別におすすめのウォレットを紹介し、目的別におすすめの使い分け方を説明していきます。
目次
種類別おすすめウォレット一覧
早速ですが、ウォレットの種類別におすすめのウォレットを紹介します。
ウォレットの種類を大まかに分けると以下のようになると思います。それぞれについておすすめのウォレットを紹介していきます。
- ハードウェアウォレット
- ソフトウェアウォレット
- デスクトップウォレット(PCウォレット)
- モバイルウォレット(スマホウォレット)
- ウェブウォレット
おすすめハードウェアウォレット一覧
ハードウェアウォレットとは、秘密鍵を外部デバイスに保管し、ウォレットを操作するときのみ外部デバイスをPCにつなげて利用するウォレットです。
その仕組み上、高いセキュリティを保ちながら利便性も兼ね備えています。
そんなハードウェアウォレットなら以下の2つのものがおすすめです。
- TREZOR(トレザー)
- Ledger Nano S(レジャーナノエス)
TREZOR(トレザー)
「仮想通貨のウォレットといえばトレザー」というほど、トレザーは仮想通貨を安全に保管するためのウォレットとして最もメジャーなウォレットの一つです。
ハードウェアウォレットは、秘密鍵のみを外部デバイス(この場合トレザー)に保管し、ウォレットを操作したいときはデバイスをPCにつなげて専用アプリで操作するだけなので、安全性はもちろん、利便性も兼ね備えています。
数多くの通貨にも対応しており、大抵の場合はこれ一つで十分です。また、サイズも小さいので持ち運びにも便利です。(もちろん外出時には紛失や盗難等には十分ご注意ください。)
- 安全性がとても高い
- 利便性が高い
- 多くの通貨の対応している
- 持ち運びに便利
- 値段が高め(15,000円ほど)
どんなときにおすすめ?
トレザーは以下のようなときにおすすめのウォレットです。
- メインウォレットとして
- 取引などをせずにただ長期保有しておきたい
- 何よりも安全に保管したい
トレザーは仮想通貨を保有しているならまず持っておきたいウォレットですね。


Ledger Nano S(レジャーナノエス)
Ledger nano Sは、トレザーに次いでメジャーなハードウェアウォレットです。トレザーが取り扱っていないリップルをLedger Nano Sでは保管できるため、リップル保有者には特に人気のウォレットですね。
トレザー同様、ハードウェアウォレットなので秘密鍵のみを外部デバイスに保管し、ウォレットを操作たい場合はデバイスをPCにつなげて専用アプリにて操作するので、安全性と利便性を兼ね備えています。
トレザーとの違いは、Ledger Nano Sは見た目が少しおしゃれなこと、アカウントの復元(リカバリー)が少々面倒なことです。
- 安全性がとても高い
- 利便性が高い
- 多くの通貨に対応している
- 持ち運びに便利
- 見た目が少しおしゃれ
- 値段が高め(15,000円ほど)
- アカウントの復元が面倒
どんなときにおすすめ?
Ledger Nano Sは以下のようなときにおすすめのウォレットです。
- リップルを所持しているときのメインウォレットとして
- 取引などをせずにただ長期保有しておきたい
- 仮想通貨を安全に保管したい
基本的にはトレザーと同じですが、Ledger Nano Sはたまに変な挙動をするなどの声もあるので、メインはトレザー、リップルを保管したい場合はLedger Nano Sというように使い分けるのが良いと思います。


おすすめソフトウェアウォレット(デスクトップウォレット)一覧
ソフトウェアウォレットとは、秘密鍵を利用するデバイス(PCやスマホなど)に保管して利用するウォレットです。
ソフトウェアウォレットの中でも、大きく分けるとPCで操作するデスクトップウォレット(PCウォレット)と、スマホで操作するモバイルウォレット(スマホウォレット)に分類されます。まずはデスクトップウォレットを見ていきましょう。
そんなデスクトップウォレットは、同じソフトウェアウォレットであるスマホウォレットとは違い、基本的には1つのデスクトップウォレットに1つの通貨しか保管できません。というより、各通貨の開発者がユーザーにその通貨のプラットフォームを提供するために専用ウォレットを作っているといったイメージです。
そのため、トレザーやLedger Nano Sが対応していない通貨をウォレットに保管したい場合に、その通貨専用のデスクトップウォレットを利用すると良いでしょう。
というわけで、デスクトップウォレットでは「おすすめウォレット一覧」でなく、「よく使われるデスクトップウォレット一覧」として以下に一例を挙げます。
- Bitcoin Core(ビットコインコア)
- MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
Bitcoin Core(ビットコインコア)
ビットコインコアは、ビットコインの開発者たちによって開発されたデスクトップウォレットです。いわばビットコインの公式ウォレットのようなものですね。
ビットコインコアはビットコインを保管することを目的とするなら使い勝手が悪いのですが、ビットコインが誕生してからのすべての取引データが記載されたブロックチェーンをダウンロードするフルノードタイプのウォレットです。
そのため、基本的には利用しなくて良いです。
MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
MyEtherWallet(以下「MEW」)はイーサリアムやイーサリアムクラシック、そしてイーサ系トークン(ERC20トークン)を保管できるソフトウェアウォレットです。
MEWはイーサリアムの公式ウォレット「EtherWallet」の軽量化版であり、なおかつ日本語にも対応しています。
また、「ICO」という未公開仮想通貨に投資するときや、「AirDrop」というちょっとの作業をすることで無料で仮想通貨をもらえるものをする際などにMEWが必要になることが多く、ICOやAirDropに興味があるなら持っておきたいウォレットです。
- 日本語に対応
- 秘密鍵がわかればどのデバイスからでも利用可
- 慣れないと使い方に戸惑うかも
どんなときにおすすめ?
MyEtherWalletは以下のようなときにおすすめのウォレットです。
- ICOに興味がある
- AirDropに興味がある
基本的にメインウォレットはトレザーやLedger Nano Sで良いので、ICOに参加したいときに必要な分だけMEWに移して参加したり、AirDropに参加したいときにMEWを利用するのがおすすめです。

おすすめソフトウェアウォレット(モバイルウォレット)一覧
次は、ソフトウェアウォレットの中でも、モバイルウォレット(スマホウォレット)について見ていきましょう。
モバイルウォレット(スマホウォレット)とは、スマホアプリ型のウォレットです。秘密鍵は利用するスマホ内のみで管理します。
今では、Google PlayやApp Storeに多くのモバイルウォレットが存在しますが、モバイルウォレットなら以下のものがおすすめです。
- bread(BRD)
- Ginco(ギンコ)
bread(BRD)
「モバイルウォレットといえばbread」というほど、最も有名なモバイルウォレットの一つです。
そんなbreadは、まずとても使いやすいです。無駄がなく、操作しやすく、初心者にもやさしく設計されています。
そして、安全性も高いです。サーバーを介さずに直接ビットコインネットワークに繋がっているので、サーバーが攻撃を受けてもユーザーのウォレット内の資産には影響がありません。
そして、対応通貨の種類ですが、以前はビットコインのみを扱っていたのですが、今ではイーサリアム、ビットコインキャッシュにも対応しています。これでもまだ少ないですが、今後も徐々に対応通貨を増やしていくようです。
- 使いやすい
- 初心者にもやさしく設計されている
- モバイルウォレットの中ではセキュリティが高い
- 対応通貨がまだ少ない
どんなときにおすすめ?
breadは以下のようなときにおすすめのウォレットです。
- スマホのみで仮想通貨を保管したい
普段PCを利用する人なら特別利用する必要はないかなと思いますが、最近ではスマホしか使わないという人も多いと思います。
そのため、普段スマホしか使わないという人がウォレットを利用する場合は、breadを利用するのが良いですね。
Ginco(ギンコ)
Ginco(ギンコ)は、最近リリースされたモバイルウォレットであり、初心者でも簡単かつ安全に仮想通貨を管理できます。
仮想通貨ウォレットに関しては、セキュリティの高さばかりに目が行きがちですが、実は自分自身のミスによって資産を失ってしまうということも少なくありません。Gincoでは、そんな自分自身の知識不足や操作ミスが起こることも前提に作られています。
今後はポートフォリオ機能、仮想通貨同士を交換する両替機能、法定通貨の入金機能、法定通貨から仮想通貨を購入する機能なども追加されていく予定であり、次世代のウォレットとしても期待されています。
そんなGincoは、初めて仮想通貨ウォレットを持つ人にはまず最初に使ってみて欲しいウォレットです。
- 手軽に導入可能
- 使いやすくわかりやすい
- セキュリティが高い
- 人間によるミスも未然に防げるよう設計されている
- 対応通貨がまだ少ない
- まだiOS版しかリリースされていない(Android版は近日公開予定)
どんなときにおすすめ?
Gincoは以下のようなときにおすすめのウォレットです。
- 初めて仮想通貨ウォレットを持つ際に
- スマホのみで仮想通貨を保管したい
初めて仮想通貨ウォレットを所持し利用する人に、まず使ってみて欲しいウォレットがGincoです。
無料で手軽に使い始められますし、セキュリティも高く、初めてでもわからないことや操作ミスなどなく利用できるウォレットだからです。
ウォレットに迷っている場合は、まずはぜひGincoを使ってみてください。

ウェブウォレットについて
ウェブウォレットとは、仮想通貨を第三者のサーバー内に保管するタイプのウォレットです。取引所もウェブウォレットに含まれます。
インターネットに接続できれば、いつでもどこでもウォレットを操作できるため、利便性はかなり高い半面、第三者に仮想通貨の管理を委ねてしまうため、セキュリティは低いです。
そもそもウェブウォレットでは自分専用の秘密鍵というものがなく、利用するウェブウォレットサービスの運営主体のウォレットの中に自分の資産も存在するという形をとっているので、セキュリティは利用するウェブウォレットの運営主体次第となります。
また、ウェブウォレットに作った自分のアカウントがハッキングされたら資産を盗まれる可能性もあります。その特性上、秘密鍵を盗まれるより、アカウントをハッキングされる可能性のほうが高いと言われています。
そのため、基本的にウェブウォレットは利用しないほうが良いです。ただし、仮想通貨の取引を行うときのみ、必要な分だけ取引所に送金して取引を行うという使い方をすると良いですね。
そんなウェブウォレットなので、おすすめウォレットは特にないです。ただし、中には多くの仮想通貨を保有しているわけでなく、頻繁に取引したいために、どうしても取引所のみで仮想通貨を管理したいという人もいますよね。そんなときは、極力セキュリティを高めるために以下のような使い方をすることを推奨します。
取引所のみで仮想通貨を管理する際のおすすめの使い方
なくなっても良い額の仮想通貨しか保有しておらず、かつ頻繁に取引を行いたいので、取引所のみで仮想通貨を管理したいという場合は、以下のような使い方をすることでセキュリティを高めることができます。
まず、よく言われることですが、取引所のアカウントのログインパスワードは英数字、記号を含む20文字以上(多ければ多いほど良い)の不規則な文字列にしましょう。そして、取引所ごとに異なるパスワードにしましょう。二段階認証はもちろん設定します。
そして、保有している仮想通貨を複数の取引所に分散して保管するというのもおすすめです。こうすることで、もしある取引所のアカウントがハッキングされてそこに預けている資産が盗まれたとしても、他の取引所の資産には影響がないからです。つまり、リスクを最小限にすることができるのです。
取引所のみで仮想通貨を管理したい場合は、極力セキュリティを高めるためにもこういった管理方法をしてみてください。
目的別ウォレットの使い分け方
これまでウォレットの種類別におすすめウォレットを紹介しました。一度、ざっとまとめておきます。
ハードウェアウォレット | TREZOR Ledger Nano S |
---|---|
ソフトウェアウォレット (デスクトップウォレット) | Bitcoin Core MyEtherWallet |
ソフトウェアウォレット (モバイルウォレット) | bread Ginco |
では、目的別にウォレットのおすすめの使い分け方を見ていきましょう。ウォレットを利用する目的には、ざっと以下のようなものが挙げられるでしょう。
- ただ保管したい
- 取引もしたい
- ICOやAirDropに参加したい
- スマホのみで管理したい
目的ごとにウォレットのおすすめの使い分け方を紹介します。
ただ保管したい
「特に取引するなどせずに、ただただ仮想通貨を保管しておきたい」「長期投資をしたい」「ガチホだ!」という場合は、以下の2つのウォレットを利用し、使い分けましょう。
- TREZOR(トレザー)
- Ledger Nano S(レジャーナノエス)
TREZORが対応している通貨のみを保管しておきたい場合はTREZORのみでも構いません。
しかし、TREZORが対応しておらず、Ledger Nano Sのみ対応している通貨も保有している場合は、Ledger Nano Sのみ、またはTREZORとLedger Nano Sの併用をおすすめします。
安全第一で考えた仮想通貨保管方法です。


取引もしたい
取引もしたい場合は、以下の3つのウォレットを利用し、使い分けましょう。
- TREZOR(トレザー)
- Ledger Nano S(レジャーナノエス)
- 取引所
取引をしたい場合でも、基本的にはTREZORやLedger Nano Sを利用して仮数通貨を管理しましょう。
そして必要に応じて、取引を行いたい額のみを取引所に送金して取引を行うようにするのがベストですね。

ICOやAirDropに参加したい
ICOやAirDropなどにも積極的に参加したいという場合は、以下の3つのウォレットを利用しましょう。
- TREZOR(トレザー)
- Ledger Nano S(レジャーナノエス)
- MyEtherWallet(マイイーサウォレット)
ICOやAirDropなどに参加する際にはMyEtherWalletが必要になることが多いです。そのためMyEtherWalletも取り入れましょう。
しかし、やはり基本は変わらず、基本的な仮想通貨の管理はTREZORやLedger Nano Sを利用するようにしましょう。

スマホのみで管理したい
仮想通貨を保有している人の中には、PCを所持しておらず、スマホのみで管理したいという人も多いと思います。そんな人には以下のウォレットがおすすめです。
- Ginco(ギンコ)
- 取引所
スマホのみで仮想通貨を管理したいという場合は、基本的にはGincoで管理し、取引を行いたい場合のみ取引所に必要な分を送金して取引する、という使い分け方をするのが良いでしょう。

基本的にはハードウェアウォレットで管理しよう
今回は種類別に仮想通貨のおすすめウォレットを紹介し、目的別にウォレットのおすすめの使い分け方を紹介しました。
ご覧いただいてもわかるように、何をするにしても基本的にはハードウェアウォレットでの管理は必須です。そして必要に応じて取引所やMyEtherWalletといったウォレットも併用するのが賢い管理方法ですね。
ハードウェアウォレットなら、TREZOR(トレザー)またはLedger Nano S(レジャーナノエス)を購入しておけば間違いないので、まだお持ちでない場合は忘れないうちに購入しておきましょう。


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